2025年4月17日根の治療で膿が溜まっている時の治療法・歯根端切除
2024年11月1日根の治療で歯茎が腫れて治らないときの歯根端切除術
2023年8月26日歯を残す、残したい、歯を抜かない治療方法〜歯を引っ張り出す矯正治療
2023年8月6日歯茎の白い出来物や腫れの治療 〜外科治療・歯根端切除〜
2023年6月20日歯にヒビが入った時の治療法 〜抜歯を回避するために
2023年5月18日歯が根元から折れた時の治療について(歯根破折・矯正的挺出)
2022年6月14日根管治療(根の治療)をした歯の寿命は?
2021年1月9日CT画像で歯の形態がはっきりと確認できる
2020年12月10日根の治療で痛み、違和感が残るのは?
2020年11月12日根が膿むと歯茎がプクッと膨らみます〜根管治療とは〜
2025年4月17日
根の治療で膿が溜まっている時の治療法として、通常の根の治療を行なっても治らないことがあります。その場合、治るまで長期間の経過を見ていくという考え方もできますが、外科的な方法で悪くなっている部位を直接取り除く方法、歯根端切除術があります。今回は根の治療だけでは治癒が見込めなかったため、外科的な歯根端切除術を行なった1例のご紹介です。
通常は根の治療といい、歯の根っこの中の神経の管を通じ、内部に侵入した細菌を消毒、無菌に近づけることで歯茎の治癒を促します。余談ですが、 通常は水酸化カルシウム製剤と呼ばれるものを用います。
この根の治療を通じ、治癒していくかを見届けます。見届ける期間や頻度は、その歯の状態や治り程度にもよりますが、1−2週間に1度、あるいは月に1度のこともあります。
どの程度見届けていくかですが、当院の場合は数ヶ月から半年程度としています。根の治療の学会において、半年で治癒したという論文もあるため、それを目安としています。逆に言えば、半年経過しても治らない場合は外科的処置の検討とします。
ただし、実際に見届ける期間は患者様との相談によります。数ヶ月で外科的に処置することもあれば、半年経過後も、そのまま見届けていくこともあります。基本的には相談の上、治療を選択していただきます。
実際に根の治療だけでは治癒しなかった場合、外科的に歯肉をめくり、内側を確認していきます。写真では、腫れていた箇所に相当する部位が黒く抜けています。これは炎症により骨が溶けてしまい、その空洞部位に膿が溜まっているという状態です。綺麗にしたのち、縫合していきます。
また、掻き出した部分は血液が溜まり、年単位で骨が再生され、周りの骨と変わらない状態になります。
縫合したら、約1週間後に抜糸します。抜糸後は被せ物をしていきます。
根の治療だけでは治癒しないものも、外科的な方法、紫根端切除術をおこなれば高確率で治癒することが論文でも証明され、エビデンスがあります。もちろん、これは治療方法の選択肢なので、実際に行うかは患者様との相談の上で成り立ちます。根の治療をある程度継続しても治癒しない場合は、検討されるのが良いかと思います。
これは保険治療ですが、この外科的治療法を提案してくれる歯医者が少ないのも実情です。提案を受けることなく、抜歯しかないと言われることも多く、そういうものと捉えている患者様も多いのではないでしょうか。
もちろん、状態によっては歯根端切除術で対応できないこともあり、抜歯となる場合もあります。膿が溜まっているからこの治療で全てが治るとは限りません。
もし根の治療で悩んでいる場合は、一度こういう治療法があることを知っていただければ幸いです。セカンドオピニオンも当たり前の時代のため、抜歯と言われて抜歯される前に、このような外科的な治療も選択肢として提案してくれる歯医者さんに巡り合っていただければとも思います。
2024年11月1日
根の治療で歯茎が腫れて治らないときありませんか?一般的には根の管を通じて治していく根管治療というもので治療をしていきますが、治らない時があります。その時は外科的な方法、歯根端切除術という方法で対応することになります。
まず、通常は根管治療という従来の方法で治療を継続します。数ヶ月、長くて半年経過しても治らない場合は外科的な方法、歯根端切除を検討します。もちろん、あくまで治療の選択肢なので、そこまでしたくないという方もいるかと思います。医学でもそうですが、治療の選択肢を決めるのは患者様となります。提案した上で、希望されるかどうかとなります。
根の治療、根管治療は言い換えると内科的治療です。管を通じて、根の先の炎症を治していくものです。内科的な方法で治癒が見込めない場合に外科的な方法、歯根端切除術となります。
そのままですが、歯茎を切開すると、歯茎が腫れているところの出来モノや根の先の状態が目視できるので、そこを綺麗にするだけとなります。悪いところを取り除くという、非常にシンプルな発想です。
処置後は歯肉を縫合し、1週間程度で抜糸を行います。その後は経過を見ていくのみとなります。
歯根端切除の実際です。写真のように、歯茎がぷくっと腫れていて、治っていない状態が確認できます。
麻酔をした上で、歯茎を切開し、内側を目視します。根の先に出来モノを確認しました。あとはこれを綺麗に取り除くだけです。
縫合し、約1週間程度で抜糸します。
このように、外科的な治療で最終的には治癒に至ります。
歯根端切除術は外科的な治療方法ですが、基本的にはこれをすれば大抵のものは治ります。
次も似たような状態ですが、写真のように根の治療でも、歯茎が腫れて治っていない状態です。
歯茎を捲ると、根の先と悪い部分が確認できます。これを綺麗に取り除きます。
1週間後の写真です。腫れていた歯肉が治っているのがわかります。
根の治療をしても歯茎が腫れて治らなかった場合の次の一手として「歯根端切除」という外科的な治療方法があります。
これは保険適応の治療方法なので、保険治療をしている歯科医院で治療を受けることができます。
もちろん、すべてのケースで歯根端切除術で治る訳ではありません。歯が割れていた場合はそもそも抜歯となりますし、範囲が大きすぎると不適応となります。
根の治療で歯茎が腫れて、治らない場合、それですぐ抜歯という訳ではありません。
お悩みの方は、一度歯科医院に相談してはいかがでしょうか。
歯を残す、残したい、歯を抜かない治療方法〜歯を引っ張り出す矯正治療
2023年8月26日
歯を残す、抜かない治療方法に、歯を引っ張り出す矯正治療があります。歯を抜くことになる理由の1つに、歯の根がほとんど残っていない場合があります。通常、差し歯などの治療は歯の根がしっかりしていることが条件になりますが、その根が歯茎に埋もれていると不十分とみなされ、抜歯となります。
ただし、通常は抜歯となる歯も、治療の選択肢によっては抜歯を回避できることがあります。今回、通常なら抜歯が選択肢になる状態でも、歯を残し、抜かない治療をした症例をご紹介します。
歯が腫れている、噛むと痛いなど症状が下記の写真のように、奥歯の歯茎が赤く腫れ上がっています。まずはどのようになっているか、虫歯がないかどうかなどを含め、詰まっている白いもの(土台)を外し、歯を確認して言います。
白いものを外し、残っている歯がどのような状態かを確認したところ、下記の写真のような歯になっていました。本来は、奥歯は大臼歯と言われ、この見えている2本の根っこがつながっているのですが、これは完全に分かれています。図のように、黒い線で囲まれているのが本来の歯の形です。斜線部分も本来は歯がある部位ですが、虫歯によって断裂、歯のつなぎ目が失われています。
詰まっている土台を外すことで、内側のものが解放され、炎症としての腫れがひきました。歯の輪郭が見えていない状態です。この状態では、通常、抜歯が選択肢に入ります。ですが、抜歯の1択ではなく、一生持つかどうかは別ですが、歯を残す、歯を抜かない治療選択肢もあります。
歯を抜く選択肢になる理由は、歯の輪郭が見えておらす、歯茎に覆われていることで、差し歯の「差す部分」「土台部分」が歯にはまらない、被せ物をしたくても歯茎を噛んでしまうからです。麻酔をして無理やり被せ物を捩じ込むことも野蛮ではありますが可能です。ですが、無理やりな治療方法では、被せ物が入ってから歯茎が腫れる、噛むと痛いなどトラブルが多発するため、基本的には行われません。これが抜歯となる理由です。
上記のような理由で抜歯となるわけですが、言い換えると歯の輪郭され確認できれば被せ物などをつけることが可能となります。様々な治療方法がありますが、その中の1つに歯を引っ張り上げる治療方法、矯正的挺出と呼ばれるものがあります。埋もれている歯を引っ張り上げることで、歯の輪郭をあらわし、被せ物をしても歯茎を挟むことなく治療していけます。
方法はシンプルで、歯にフックをつけ、ワイヤーとゴムの力で歯を引っ張り上げます。
矯正として、ゴムを交換しながら、フックやワイヤーを調整していきます。最終的に埋もれていた歯を歯茎の上へと引っ張り上げていきます。引っ張り方にもよりますが、ゴム交換を数回、数ヶ月かけていきます。
結果として、歯の輪郭が見えてきました。これで歯に土台を立てて被せ物を作ることができます。

出てきた歯に対して土台をたてます。その後、被せ物を作っていきます。被せ物には種類がありますが、今回はセラミックスで作成することになりました。セラミックスはプラークと言われる歯の汚れがこびりつきにくいため、セラミックスに付着した汚れは簡単に洗い落とせます。そのため、虫歯になりにくい、あるいは歯肉の炎症が生じにくいです。
通常は金属の被せ物になりますが、金属は汚れがこびりつきやすく、その分、手入れも他の歯より倍以上手掛ける必要があります。いつも通りに磨いても、汚れを削ぎ落とすのがなかなか難しいです。これは歯科業界の人ならよくわかる現象です。歯のお掃除なので、クリーニングするときも、金属の表面の汚れはなかなか落ちません。最終的には落ちるのですが、汚れに抵抗感があるようにこびりつきます。口腔内の衛生上、セラミックに越したことはありませんが、保険外治療になりますので、費用面との相談にもなります。
歯を残したい、歯を抜かない、抜きたくなということに直面することがあるかもしれません。もちろん、虫歯によって抜歯となるのは止むを得ない治療選択かもしれません。ですが、歯のやられ方、状態によっては歯を残す、抜かずにすむ治療方法が存在します。治療選択肢として説明がないまま抜歯されるケースも多々あります。この記事が少してもお役に立てれば幸いです。
2023年8月6日
歯茎に白い出来物や腫れができたりしたことありませんか?それは歯の神経の管に細菌が侵入し、骨の中で感染が生じることで発生する炎症の1つです。一般的には根管治療という根の管の治療を行いますが、それでも治らない場合があります。そうなると外科治療にステップを進めることがあります。今日はその外科治療についてのお話です。
歯茎の白いできものや腫れは、歯の神経の管にバイ菌が入り込み、根の先から歯茎へと飛び出て、そこで炎症を起こしている状態です。神経が死んでしまった歯や、神経の無い歯に生じます。というのは、神経が生きていると神経が反応して痛い、沁みるなど症状が出ます。これは、無症状で進行することが多く、仮に症状があるとすると、違和感、歯が浮いたような感覚、噛むと痛いなどが多いです。時にズキズキすることもあります。
このように腫れてしまうと、歯の管を通じて治療を開始していくことになります。具体的には神経の管を物理的に拡げていき、消毒しやすい状態にします。その後は、治癒を待ちます。炎症の程度にもよりますが、1-2回で治ることもあれば、数ヶ月以上、半年程度で治癒に転じることもあります。治療回数も数回ではなく、4-8回など回数がかかることも多々あります。
知り合いが2回くらいで治ったと言っても、自分の場合は10回くらいかかるかもしれません。半年くらいかかるかもしれません。その状態により治癒の程度が変わります。
前述の通り、通常は管の治療、根管治療で治りますが、それでも治らない場合があります。その時は治療方針の選択として、引き続き根管治療を行うか、外科治療に移行するかとなります。
イメージとしては、根管治療は内科的な治療で、薬や免疫力で治癒を目指しますが、外科治療はその名の通り、外科的に悪い部分を綺麗にするのでほぼ確実に治っていきます。ただし、イメージから選択されない方や、歯科医師の技術レベルによっては、この外科治療が選択として説明されないこともあります。
ここでは、実際の症例を通じて、根管治療では治癒しない場合の外科治療を診ていきます。外科的歯内療法、歯根端切除術ともいいます。
歯の根元にできものがあります。レントゲンで確認すると、根の先が黒くなっています。本来は歯の周りに白い骨がありますが、感染による炎症により、骨が失われています。その結果、黒く写ります。この黒くなっている範囲が、炎症が生じている範囲となります。
歯茎を切開し、剥離すると、プクッとした「できもの」が確認できます。通常、何もなければ白い骨が覆われている状態となります。
プクッとしているできものを取り除き、感染部分を掻爬します。すると、炎症により失われた部分が空洞として確認できます。歯の根の先も確認できます。
感染部分を掻爬、郭清してきます。このときに、根の先を3-4㎜カット切除します。理由は、根の先端3-4㎜に感染物質、原因を引き起こしている細菌が集約していると言われているからです。

処置が完了すれば、縫合します。1-2週間後に糸を抜きます。
治療後2年後の状態です。歯茎の「できもの」は完全に消失しています。歯茎に切開線が薄く残っていますが、凝視しない限りわかりません。また、処置により、術前はレントゲンで根の先が黒くなっていましたが、治癒後は骨が回復し、白くなっています。
もう一つご紹介です。基本的には根の先に白いできもの・腫れができた場合は根管治療が第一選択ですが、それでも治癒が見込めない場合に外科治療へと選択肢が広がります。
歯の根元に白いできもの・腫れがあります。通常は根管治療が第一選択です。ただ、今回も治癒になかなか転じないため、相談結果、外科治療へと進むことになりました。
切開すると、プクッとした「できもの」が確認できます。通常は白い骨で覆われていますが、この部分だけプクッとしています。
プクッとしている部分を綺麗に掻爬します。このプクッとしている部分が細菌感染している部分です。しっかり掻き出すことで、その部分が空洞となり、一方で白い骨の部分のみが確認できます。
処置が終われば、縫合して完了です。1週間ほどで糸を抜きます。
歯茎に白いできもの・腫れが出た場合は、通常は根の治療、根管治療を行います。ただし、それでも治癒が見込めない・期間がかかる場合は外科治療が選択肢に入ります。医院の考えや歯の状態にもよりますが、当歯医者では2-3ヶ月根管治療を行い、治癒傾向がない場合に患者様と相談することが多いです。外科治療・歯根端切除を希望される方もいれば、引き続き内科的治療として根管治療を継続する方もいらっしゃいます。それぞれの歯の状態に合わせて、治療の選択肢があります。
根管治療に対して、このような外科治療という選択肢があることを説明されない患者様が現実的にはいらっしゃるかと思いますので、この記事が少しでも全国の方にお役に立てればと思います。
2023年6月20日
歯にヒビが入り「抜歯」を宣告されることありませんか?完全に割れていると厳しいですが、ヒビの状態であれば、まだ抜歯しなくても済むかもしれません。そんな1例をご紹介します。
歯にヒビが入るのは3つ理由があります。【①年齢 ②歯ぎしり食いしばり ③差し歯など歯の耐久性の問題】です。ヒビが入るのは仕方がないのですが、それが問題となる時とない時があります。生理的な問題であればいいのですが、後述するように症状が出ていると問題となります。
これは生理現象なので仕方がありません。理論的には歯を使わなければヒビは入りませんが、食事をする以上は不可避です。受け入れるしかありません。
夜間に歯ぎしり・食いしばりがあると、歯がすり減る、ヒビが入ることがあります。就寝時の歯ぎしり食いしばりは100kg以上の力が入ります。食事している時の噛む力では歯がすり減ることはありません。骨よりも硬いと言われる歯がすり減るので、相当な力が掛かっています。歯ぎしり・食いしばりから歯を守るためにはマウスピースを装着するしかありません。寝ている時の話なので、意識的に止めることができませんので、守るしかないのが実情です。
虫歯治療や神経をとる処置、根管治療を行った場合、見た目は被せ物や詰め物で歯があるように見えますが、実際の歯はほとんど残っていないことがあります。銀歯などは噛む力で欠けることはありませんが、その分の力が残っている歯にかかります。その結果、歯が持っていかれるイメージです。銀歯が外れるなど、強い力が分散されればいいのですが、ガッツリ銀歯がはまっていると、過度な力が直接歯にかかるので、結果としてヒビが入ることがあります。場合によってはバキッとなって、歯が割れることもあります。
これは原因や程度によって症状の有無、程度が異なりますが、神経が生きているか、死んでいるかも分かれ目です。なお、以下の場合わけで「浅い・深い」とありますが、ざっくりなので、厳密なところはここでは無視します。
ここでは、神経にまで達していない状態とします。歯の神経がある場合は知覚過敏が生じます。冷たいものを飲むとしみるなどです。ただし、ヒビによるものか、単純な知覚過敏か、虫歯かの断定が見た目だけではできませんので、歯医者に行ってレントゲン撮影し、虫歯の有無をはっきりさせる必要があります。
ここでは、神経に達している、達する手前の状態とします。冷たいものがしみるだけでなく、温かいもので痛い、ものを噛むと痛い、あるいは違和感を生じます。ここまでくると神経に達している可能性が高いです。あいにく、この症状が出ると神経処置を行うか、様子を見て痛みが消えたと思ったら神経が死んでしまっていた、という結末になることが多いです。
ここでは、根元付近で、根の先までは達していない状態とします。これは自覚症状は感じることはあまりありません。感じるとすれば、噛む時に違和感を感じるということでないでしょうか。この状態に早く気づければ、そして歯医者で状態を確認してもらうことが非常に大切です。どうしようもない場合もあれば、大きくヒビが入って抜歯になる前にケアできる場合があります。
ここでは根の先端までヒビが入っている状態とします。この場合は抜歯になる可能性があります。奥歯など大臼歯の場合は歯の根が複数本あるのでヒビ割れした根だけを抜いて、残りの歯を活かす方法(分割抜歯、ヘミセクション、トリセクションなど言います)があります。ただし、前歯など根が1本だけの場合は、割れてしまうと抜歯になります。
ヒビがある程度で止まっていた場合は、それ以上割れないような治療をしていきます。例えばヒビが入っている部分を被せ物で覆ってしまうことで、拡がらないようにする方法や、差し歯であれば、歯の状態によっては差し歯の差す部分の材質を変更する、差す場所を変えるなどがあります。歯の位置や破折部位にもよりますが、場合によっては外科治療でヒビを補修する方法もあります。
これは冷たいものがしみる、噛むと違和感という主訴です。歯に詰め物がありますが、よく見ると薄くヒビが透けて見えます。
治療の流れとしては「①経過観察」「②詰め物のやりかえ」などありますが、今回は治療選択肢の相談の上、「③ヒビを覆い隠すために被せ物にする」となりました。痛みが強い場合は「④神経をとる」という選択肢もありますが。なるべく神経を残したほうが歯の寿命が良いので、今回はこのような選択となりました。仮に神経をとる処置をしても、最終的には歯の強度耐久性の問題から被せ物になりますので、被せ物にして症状が消えれば、神経を取らずしてよかったなと前向きに思っていただければと思います。
詰め物を取り除き、歯を削っていくと、明らかなヒビ割れ、クラックtが確認できます。これが原因で神経に刺激が伝わりやすくなり「しみる」「痛い」の症状が出ます。
被せ物は「銀歯」「CAD冠(プラスチック)」「セラミックス」という選択肢があります。セラミックスは保険外治療です。種類を相談の上、セラミックスで被せることになりました。
被せることで冷たいものなど刺激がヒビから遮断されます。治療後、結果として症状は無くなりました。ただし、ヒビ、クラックが入っていること、神経に影響が出ていたことは事実なので、今後、神経が慢性的に壊死していかなかどうかを見守る必要があります。
神経がない歯は、細菌が侵入すると、歯茎に炎症が起こります。結果として腫れ、痛みが出ます。あるいはニキビのような出来物が現れます。通常は歯の神経の管を通って歯茎や骨に感染していきますが、歯にヒビが入ると、そのヒビから侵入していきます。
まずは根の治療(根管治療)を行います。ただし、それでも改善はしないことがあります。その場合はヒビを修復、埋める必要があります。
どこにヒビがあるか確認をするためにも、外科治療として歯茎をめくり、歯全体を確認していきます。今回の症例では、歯にヒビが入っていることを確認しました。
歯のヒビを部分的に削り、接着剤を流し込みます。専門的ですが、一般的にはスーパーボンド、MTAセメントという類の医療機材を用います。
歯の根の先端3-4㎜には細菌が溜まりやすいと言われています。厳密には、目に見えない細かな管が集結しているため、細菌がそれぞれの管に集結しやすいためです。細菌は目に見えないため、根の先に細菌が集結しているという前提で、一般的には無難に切断を行います。
やることを終えたら、歯茎を戻し、糸で縫います。1-2週間くらいで糸を抜きます。
傷口が治れば、被せ物を装着し、終了です。あとは再発しないことを祈りつつ、経過を見ていきます。ヒビを修復し、歯茎や症状が改善したといえども、またヒビが入る可能性があります。見守っていく必要があります。

歯にヒビが入ると、神経が生きているか、抜いてあるかによっても症状や治療方法が違ってきます。真っ二つに割れてしまうと基本的には抜歯となります。治療するというよりは、現状を早期発見し、今以上に症状が悪化しないよう、ヒビが悪化しないような対応が必要です。
冷たいものがしみる、違和感があるなどは、ヒビによるものもあれば、単純に虫歯、歯周病、根が膿んできたなど、よくある類のこともあります。むしろヒビが原因という症状はどちらかというとマイナーです。どちらにしろ、症状があれば放置するのでなく早期発見、早期治療という観点から歯医者を受診して診てもらうことが大切です。
2023年5月18日
歯が根本から、折れた、欠けた、割れたことありませんか?破折の状態によっては歯根破折、歯冠破折と言い分けられます。中には割れてはいないヒビの状態(クラック、マイクロクラックともいいます)もあります。それぞれ治療方針がかわります。具体的にそれぞれの状態と治療方針について述べていきます。
…歯茎より上の部分が欠けている
…歯の根まで折れている
…ヒビ割れを起こしている状態。まだ完全に割れてはいないが、部分的に割れていることもある
歯感は症状にもよりますが詰め物、歯形をとって銀歯、セラミックなどで治療していきます。ただし神経近くで折れていると神経を取り除く処置(抜髄、根管治療)となります。
事故やスポーツでぶつかったりすると、破折することが多いです。虫歯によって歯の内側が空洞になり、食事によって欠けることもあります。詰め物をしていると、歯と詰め物の境目からパキッと割れる、かけることもあります。
症状は、破折、欠ける具合にもよりますが、神経が生きている歯であればしみることが多いです。神経近くで破折するとズキズキしてきます。この場合は先述しましたが、神経処置(抜髄、根管治療)となります。
歯根破折…この場合は、縦に折れているか、横に折れているかで治療方針がかわります。
縦に折れている場合は一般的に抜歯になります。
横に折れている場合は、抜歯になるか、あるいは保険外治療を選択することで歯を残していくことがあります。要は折れどころで決まります。
これは一般的には抜歯となります。ただし、横に折れている場合は残せる場合があります。
前述通り、抜歯となります。
折れどころによりますが、残る場合があります。一般的に神経を抜いた歯に起こりやすいです。
以下、実際の症例を見ていきます。
写真のように、銀歯と歯の間で折れています。神経がない歯をこのように部分的な詰め物で終了すると破折してしまいます。
肉眼、視診でも正直なところどこまで折れたのか推測できますが、レントゲンで状態の確認を行います。
骨の位置まで割れているかどうかがポイントです。骨の近くまで割れていると、一般的に抜歯が治療の選択肢に入ってきます。なぜかというと、簡単に言えば正常な歯茎が再生しないため、術後症状が出る可能性があるからです。人間は、骨の周りには真皮、表皮など皮膚があり、その厚みが決まっています。歯も同じで、歯茎には厚みが必要です。骨の近くまで歯がなくなると、歯茎は残っている歯に沿って再生するので、厚みが薄くなります。その結果、症状が出るということです。(※分かりやすくいうとこの説明になります。厳密には理由や状態は違うのですが、ここではざっくりのイメージで説明しています)
この画像では骨の近くです。そのため、治療の選択肢としては
⑴ 抜歯
⑵妥協的にこのまま被せ物を作る
⑶歯の挺出
⑷歯周外科
となります。⑶歯の挺出、⑷歯周外科というのは保険外治療になります。この2つは手法が違うのですが、目的は共通していて、要は歯を骨から離すことで正常な歯肉を作るということです。どちらを選択するかは治療期間や主治医の判断、治療を受ける患者さんの意向などで決定します。
歯が骨の近くまで折れているため、自然に放置すると下の写真のようになります。正常な歯茎を維持するため、適正な厚みが出来上がりますが、歯がない部分は、歯が覆われています。
歯を挺出させるために、ワイヤーを隣の歯に接着剤でつけます。そして挺出させたい歯にフックをつけ、フックとワイヤーをゴムで繋げます。ゴムの力で歯を引っ張り上げます。
これにより眠っている歯が出てきたことで、歯の輪郭が確認できます。周りは他の歯茎同様のピンク色の歯肉が確認できます。
たったこれだけなので、意味あるのかなと思うかもしれませんが、このちょっとした差が、被せ物をしたあとの症状の有無、歯肉炎、歯周炎の起こりやすさなどにつながります。
これは完全に割れていないですが、文字通りひび割れ、完全に破折する前兆の状態です。ヒビが入ることで症状が出てきます。神経がある歯は「冷たいもの・温かいものがしみる」となります。神経がない歯は「歯茎の腫れ・違和感」が出てきます。
この場合は現状では使えるところまで使うという妥協的な、経過観察事案のほか、積極的に治療するということで、外科的にヒビ割れを修復する方法があります。
これらについてはまた別の記事として挙げていきます。
歯が折れた、割れたといった破折した場合、その部位によって治療の選択肢が分かれます。上記のような治療選択を提案されずに抜歯一択の説明をうけ、そのまま抜歯に至る方がいらっしゃいます。もちろんその人にとってはその選択肢しかないと思っているので、その時は後悔はないのかもしれませんが、後々、歯を残す治療方法があったと聞くとやはり後悔するかもしれません。ですが一方で、もちろん歯を残す治療方法を選択しても一生もつかどうかは別問題なので、そこへの理解は大切です。一般的に歯を削ると寿命が下がりますので、歯を残す意義はあります。治療期間や費用を含め、自分の価値観にあった治療選択が大切です。
2022年6月14日
津市久居のナカニシ歯科医院です。根管治療(根の治療)を受けた歯の寿命ですが、なんと約11年ということが最新の論文で発表されました。概要だけ先に述べると
・根管治療(根の治療)後に、詰め物や被せ物で処置した歯の寿命は中央値で20.1年
・根管治療(根の治療)後に、詰め物で処置した歯の寿命は中央値で11.2年
・根管治療(根の治療)後に、被せ物で処置した歯の寿命は中央値で11.4年
・根管治療(根の治療)後に、詰め物も被せ物も何もしなかった歯の寿命は中央値で6.5年
となっています。詳しく掘り下げていきます。
根管治療(根の治療)とは、その名前の通り、歯の根の管の治療を指します。具体的にとのような時に行うかというと、①虫歯が神経に達し、神経をとる時 ②すでに神経がとられている根が細菌感染により炎症してきた時(根が膿んでいる時)に行います。双方とも、やることは同じで、根の管の中を綺麗に掃除し、無菌状態を目指します。根の中が空っぽになったら、その空洞部分を埋めていきます。この一連の流れ【根の管を綺麗にする⇨管の中を埋める】が根管治療です。
根管治療の後の処置は、状態にもよりますが、ほとんどの場合で被せ物にすることが望ましいです。根管治療を行う時は、すでに歯の一部分、あるいは大部分が虫歯で失われている状態です。そのため、見た目は自分の歯が残っているといえども、中身は空洞になっており、絶対的な強度が不足します。その結果、噛む力に耐えられずバキっと歯が割れてしまいます。割れてしまったら最悪の場合抜歯になることがあります。
このように、自分の歯が残っているからと言って良かれと思い、被せものをせずそのままにしておくと最悪のケースが待ち受けています。
根管治療の後に関しては、前述の通り被せ物が望ましいケースが大半です。ですが、時に詰め物だけで対応することも無くはありません。それは大部分の歯が残っている場合です。現実的には何らかの理由で虫歯ではないのに便宜的に神経を取るときや、生まれつき歯の形状から経年的に神経が壊死してしまったとき(中心結節というものが当てはまります)などがあります。仮に詰め物のみで対応する場合はラバーダム治療という手法を用いた、強固に歯に接着する詰め物を使用することが必要条件となります。
詰め物だけにするかどうかは、歯の状態や噛み合わせの状態などで総合判断が必要なため、主治医の判断となります。こればかりは治療の選択肢として患者側からは判断ができませんので、主治医を信じるほかありません。
被せ物の場合は日本においては銀歯やプラスチックの歯、保険外でセラミックスなどがあります。見た目を気にする場合は詰め物だけで対応できればそれに越したことはないかもしれませんが、寿命を考えると被せ物が望ましいとなります。今回紹介された論文では被せ物をしたものに比べ、詰め物で対応したものは歯の寿命が短いという統計結果が出ています。このことを十分念頭におく必要があります。
根管治療の後によくあるトラブルとして、根の先が炎症を起こすことがあります。説明においては「根が膿んでいます」という表現されることもありますが、実際には膿んでいないことも多くありますが、分かりやすいようにこのように説明している歯医者さんもあります。
根の治療をしている途中、あるいは治療後に目に見えない細菌が侵入し、根の管を通って根の先へと進み、細菌が根の先から外へ飛び出します。根の外側には骨があり、この骨が細菌感染により炎症を起こし、骨が溶けていきます。この状態が進むと、レントゲンで白く写るはずの骨が溶けて無くなっていくため、根の先がレントゲン上で黒く見えます。
この根の先で起こる骨の炎症が、時に無症状で、時に自発痛、違和感、浮いたような感じがする、噛むと違和感・痛いなど症状が出てきます。このような時は根の再治療が必要になります。
根管治療は日本においてよくある保険治療の1つです。歯を抜くと後々のことがあるため第一選択は歯を残すことになります。根の治療をすればもう大丈夫かと言われると決してそんなことはありません。被せ物や詰め物は人工物なので必ず劣化を起こし、いつの日か再治療になります。その再治療が何年後に起こるのか、何十年後に起こるのかは分かりませんが、少しでも長持ちさせることが大切であり、そのためには保険外治療という選択肢も視野に入れることも大切かもしれません。1つ言えるのは、根管治療にならないように、虫歯を早いうちに食い止めるということが大切です。
2022年5月12日「Journal of Dental Research」という雑誌に掲載されています。ネットでも英語論文で確認できますので、ご興味ある人は調べてみてください。
津市久居の歯医者「ナカニシ歯科医院」
2021年1月9日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
もはや歯科界では必須になりつつありますCT画像です。
通常のレントゲン撮影では二次元の写真画像になりますが、実際の歯は3次元なのでどこがどうなっているのかがレントゲンではわかりません。
CTではそれがきめ細かにわかります。
鮮明に歯の状態がわかる為、治療の見落としがないかどうか、どの部分が炎症を起こしているのか、どこまで炎症が波及しているのかがはっきりとわかります。
津市久居の歯医者 歯科医院「ナカニシ歯科医院」
津市久居中町276-7 中西ビル2階
TEL:059-256-4515
2020年12月10日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
根管治療、ご存知でしょうか?
根っこの治療とも言われています。
例えば、虫歯は進行すると、歯の神経に到達します。
歯の神経が侵されると、痛みや歯の根っこが汚染され、炎症を起こしていきます。この汚染された歯髄を取り除いていくのが「根の治療」「根管治療」です。
歯の根は非常に複雑な形をしており、少しでも取り残しがあると再発する可能性が高いです。
ましてや盲目的な治療になるため、汚染物質の取り残しがあるかの確認ができません。
それが原因で、痛みや腫れなどを引き起こすこともあります。
今回は、そんな根の治療での痛み、違和感についてのお話です。
〜治療中の痛み、違和感〜
根管治療では、痛みが出ることがあります。
その時は、麻酔を行った上で治療していきます。
根の中に炎症している神経、汚れを残したままだと、痛みが取れないことが多く、また再感染を起こし、再度根管治療を行わないといけなくなります。
そのため麻酔をし、痛みを無くし、痛みの原因の汚れ、炎症している神経を取り除く根管治療を行います。
一方で、根の先、つまり根の外側にまで炎症が波及していると、治療を原因の汚れを除去できてもすぐには治りません。炎症=傷のようなものなので、治癒に時間を要します。
〜治療後の痛み、違和感〜
①最終的なお薬をつめた後
根の中を消毒した後、薬を詰めます。これは緊密に詰めていき、圧をかけながら行うため、薬を詰めた後に痛みが出ることがあります。数日痛みが出て、その後落ち着くと言われています。
我慢できる範囲の多少の痛みなら良いですが、あまりに痛い場合は歯科医院に相談した方が懸命です。
②治療後の継続的な痛みや違和感
治療後にしばらく痛む場合、歯を支える組織が炎症を起こしている可能性があります。
そのため噛むと痛い、押さえると痛いなどの症状が起こることがあります。
この場合は状態にもよりますが、時間経過で痛みの変化を見ていく、あるいは外科的な方法を考えます。
〜その他の痛みの原因〜
他にも「かみ合わせが高い」「歯周病を併発している」などもあり得るので、「痛み=根が原因」とも限りません。
歯科医院に相談し、状態の把握が必要です。
〜違和感、痛みはいつまで続くのか〜
痛みの程度や期間は、その歯の重症度の度合い、炎症の進行度合い、痛みの感じ方といった個人差によって様々です。
ただし、歯の根っこが無菌的になっていれば、一週間ほどでおさまるといわれています。
あるいは、少しずつ引いていき、痛みがなくなります。
〜痛みに対する対応〜
基本的には根の治療の継続、お薬の内服が一般的です。
ただし、あまりに痛みが取れない場合は歯科医院に相談することが望ましいです。
痛みについても、先ほど述べましたように炎症の強さ、期間、重症度などで簡単には引かないことがあります。
〜最後に〜
根の治療、根管治療は盲目的な治療です。
痛み違和感があるというのは、誘発している炎症、感染物質が残っているということになります。
根の治療では治癒しないものは、外科的な方法を考えます。
あるいは、保険範囲内の治療では治らないものもあるため、保険外治療を考えます。
どちらにしろ、痛みや違和感がある場合、様々な原因、過程があるはずなので、歯科医院に相談することが大切です。
津市久居の歯医者 歯科医院「ナカニシ歯科医院」
津市久居中町276-7 中西ビル2階
TEL:059-256-4515
2020年11月12日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
根の治療したところがプクッと膨らんできていませんか?
虫歯が入って、根の先で膿んでいるかもしれません。

〜根の治療とは?〜
根の治療とは、神経の管をきれいにして、お薬を詰める治療です。
ですが、治療をしてもそこに虫歯が入っていけば、再度膿んでくることがあります。
その時はもう一度根の治療を行うことになります。

歯の中をきれいにすることで、歯茎の膿をとることができます。

治療回数は状態にもよりますが、奥歯であれば根の治療が2−4回です。
その後被せ物を作り変えるなどあるので、さらに1−3回かかります。
どれだけ早く治療が進んでも、計6回くらいかかると思った方がいいでしょう。
〜最後に〜
根の治療を行えば必ず治るわけではありません。
歯が割れている場合もあれば、外科的な治療を考えないといけないこともあります。
人により、その歯の状態により治療の予後が変わるため、その都度、歯科医院で精査が望ましいでしょう。

津市久居の歯医者 歯科医院「ナカニシ歯科医院」
津市久居中町276-7 中西ビル2階
TEL:059-256-4515