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歯茎の白い出来物や腫れの治療 〜外科治療・歯根端切除〜

2023年8月6日

歯茎に白い出来物や腫れができたりしたことありませんか?それは歯の神経の管に細菌が侵入し、骨の中で感染が生じることで発生する炎症の1つです。一般的には根管治療という根の管の治療を行いますが、それでも治らない場合があります。そうなると外科治療にステップを進めることがあります。今日はその外科治療についてのお話です。

 

 

 

①歯茎の白いできもの・腫れについて

歯茎の白いできものや腫れは、歯の神経の管にバイ菌が入り込み、根の先から歯茎へと飛び出て、そこで炎症を起こしている状態です。神経が死んでしまった歯や、神経の無い歯に生じます。というのは、神経が生きていると神経が反応して痛い、沁みるなど症状が出ます。これは、無症状で進行することが多く、仮に症状があるとすると、違和感、歯が浮いたような感覚、噛むと痛いなどが多いです。時にズキズキすることもあります。

このように腫れてしまうと、歯の管を通じて治療を開始していくことになります。具体的には神経の管を物理的に拡げていき、消毒しやすい状態にします。その後は、治癒を待ちます。炎症の程度にもよりますが、1-2回で治ることもあれば、数ヶ月以上、半年程度で治癒に転じることもあります。治療回数も数回ではなく、4-8回など回数がかかることも多々あります。

知り合いが2回くらいで治ったと言っても、自分の場合は10回くらいかかるかもしれません。半年くらいかかるかもしれません。その状態により治癒の程度が変わります。

 

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療 3  歯茎の白い出来物の腫れの治し方・根管治療や外科治療

 

 

 

 

 

②歯茎の白いできもの・腫れの外科治療について

前述の通り、通常は管の治療、根管治療で治りますが、それでも治らない場合があります。その時は治療方針の選択として、引き続き根管治療を行うか、外科治療に移行するかとなります。

イメージとしては、根管治療は内科的な治療で、薬や免疫力で治癒を目指しますが、外科治療はその名の通り、外科的に悪い部分を綺麗にするのでほぼ確実に治っていきます。ただし、イメージから選択されない方や、歯科医師の技術レベルによっては、この外科治療が選択として説明されないこともあります。

 

 

 

 

 

③歯茎の白いできもの・腫れの外科治療の実際について【外科的歯内療法・歯根端切除術】

ここでは、実際の症例を通じて、根管治療では治癒しない場合の外科治療を診ていきます。外科的歯内療法、歯根端切除術ともいいます。

 

1. 歯の根元にできものがあります

歯の根元にできものがあります。レントゲンで確認すると、根の先が黒くなっています。本来は歯の周りに白い骨がありますが、感染による炎症により、骨が失われています。その結果、黒く写ります。この黒くなっている範囲が、炎症が生じている範囲となります。

 

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除   歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除

2. 歯茎を切開し、内側を診ていきます

歯茎を切開し、剥離すると、プクッとした「できもの」が確認できます。通常、何もなければ白い骨が覆われている状態となります。

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除

 

 

3. 感染部位を掻爬、綺麗にします

プクッとしているできものを取り除き、感染部分を掻爬します。すると、炎症により失われた部分が空洞として確認できます。歯の根の先も確認できます。

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除

 

 

4. 徹底的に綺麗にします

感染部分を掻爬、郭清してきます。このときに、根の先を3-4㎜カット切除します。理由は、根の先端3-4㎜に感染物質、原因を引き起こしている細菌が集約していると言われているからです。

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除  歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除

 

5. 処置後は縫合します

処置が完了すれば、縫合します。1-2週間後に糸を抜きます。

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療 6   歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除 7

 

6. 治療完了 治癒状態の確認

治療後2年後の状態です。歯茎の「できもの」は完全に消失しています。歯茎に切開線が薄く残っていますが、凝視しない限りわかりません。また、処置により、術前はレントゲンで根の先が黒くなっていましたが、治癒後は骨が回復し、白くなっています。

 

 

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除 9  歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除 10  歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除

 

 

 

④歯茎の白いできもの・腫れの外科治療の実際について2【外科的歯内療法・歯根端切除術】

もう一つご紹介です。基本的には根の先に白いできもの・腫れができた場合は根管治療が第一選択ですが、それでも治癒が見込めない場合に外科治療へと選択肢が広がります。

 

1.歯の根元に白いできもの、腫れがあります

歯の根元に白いできもの・腫れがあります。通常は根管治療が第一選択です。ただ、今回も治癒になかなか転じないため、相談結果、外科治療へと進むことになりました。

 

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除 12

 

 

2.歯茎を切開し、内側を診ていきます

切開すると、プクッとした「できもの」が確認できます。通常は白い骨で覆われていますが、この部分だけプクッとしています。

 

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除 13

 

 

3. 感染部位を掻爬、綺麗にします

プクッとしている部分を綺麗に掻爬します。このプクッとしている部分が細菌感染している部分です。しっかり掻き出すことで、その部分が空洞となり、一方で白い骨の部分のみが確認できます。

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除

 

 

4. 縫合して完了です

処置が終われば、縫合して完了です。1週間ほどで糸を抜きます。

歯茎の白い出来物の腫れの治し方 外科治療・歯根端切除 15

 

 

 

④歯茎の白いできもの・腫れの処置について まとめ

歯茎に白いできもの・腫れが出た場合は、通常は根の治療、根管治療を行います。ただし、それでも治癒が見込めない・期間がかかる場合は外科治療が選択肢に入ります。医院の考えや歯の状態にもよりますが、当歯医者では2-3ヶ月根管治療を行い、治癒傾向がない場合に患者様と相談することが多いです。外科治療・歯根端切除を希望される方もいれば、引き続き内科的治療として根管治療を継続する方もいらっしゃいます。それぞれの歯の状態に合わせて、治療の選択肢があります。

根管治療に対して、このような外科治療という選択肢があることを説明されない患者様が現実的にはいらっしゃるかと思いますので、この記事が少しでも全国の方にお役に立てればと思います。

 

 

 
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