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歯肉移植の経過や費用、痛みについて

2023年12月12日

歯肉移植の経過や費用、痛みについて気になりませんか?今回は歯肉移植を実際の症例を通じて、経過や費用についてお話ししていきます。

※インプラント治療に伴い、歯肉の移植を行うことが多いです。

歯肉移植の経過や期間、痛みについて

 

 

 

 

①歯肉移植とは?

歯肉移植は、必要とする歯肉を別部位から採取、移植することです。具体的には上顎から採取することが多いです。

歯肉の移植は上顎の内側あたりから採取することが多いです。

 

 

 

 

②歯肉移植を行う理由は?

歯肉の移植を行う理由は、簡単にいうと歯周炎などの防御力の向上です。歯肉には骨にしっかりついている部分(付着歯肉・角化歯肉と言います)と、頬を引っ張ると歯肉が動く部分(遊離歯肉)と2種類あります。歯の周りに付着歯肉という丈夫な歯肉が多いほど、歯周炎になりにくいと言われています。この付着歯肉が少ないと汚れが溜まりやすくなり、歯周炎になりやすくなります。

 

インプラント治療や被せ物を行う時は、やはり歯周炎になって欲しく無いため、必要に応じて防御力を上げるために歯肉の移植を行います。必ず移植しないといけないわけではありません。その人その人に応じて移植した方がいいかどうかなど、総合的に判断となります。

 

 

 

 

③歯肉移植の痛みは?

歯肉移植の処置は「①移植される側」「②歯肉を採取する側」の2箇所処置部位が出てきます。双方において、適切な処置をすればそれほど痛みは出ないと言われています。移植する側は言うならば歯茎と言う絆創膏で覆われます。採取される側についてはコラーゲンテープのようなもので覆うことで、傷口を隠します。

採取される側は通常は上顎なので、食事の時は特別熱いものや辛いものなど、刺激の少ないものを取るようにしましょう。

双方において、虫歯のズキズキのような痛みはなく、あったとしてもロキソニンなどの鎮痛薬を服用すれば十分間に合います。

 

 

 

 

 

④歯肉移植の治癒期間は?

歯肉移植の治癒期間として、移植した側は数ヶ月経過を見ることが多いです。傷口としては1−2週間の話ですが、完全に馴染むまでは数ヶ月見ることが多いです。一方で、歯肉を採取した側についても同程度です。1−2週間で新しい歯肉はできますが、採取した分だけ凹みます。数ヶ月たてば元に戻ります。

 

 

 

 

 

⑤歯肉移植の実際の症例

⑴ 歯肉移植の処置前の状態

歯肉移植の実際です。インプラント治療している部分の周囲に付着歯肉と呼ばれる防御力の高い部分が少ない状態です。写真の矢印で示している白い歯肉がそれに該当しいます。この部分は頬を引っ張っても動かない分厚い歯肉です。ここが多いほど歯周炎などに強い歯肉となります。

歯肉移植について、インプラント治療した部位ですが、付着歯肉と呼ばれる部分が少ない状態です。

 

 

 

 

⑵ 歯肉移植の採取

実際に採取した歯肉です。面積については必要な分量となるので常に決まっているわけではありません。今回は、歯2〜3本分必要だったので、約2センチほど採取しています。

歯肉移植として上顎から採取します。

 

 

採取した部分は、コラーゲンテープのような膜で保護し、縫い付けます。いわば絆創膏のような状態にすることで、傷口を保護し、処置後の痛みや当たっていたいなどの不快な症状をなくすことができます。ただし、縫った糸を舌で触ると、細い糸なのでそのチクチク感はどうしても出てしまいます。

歯肉移植で採取した部分にはコラーゲンの膜で保護し、処置後の不快症状を無くします。

 

 

 

 

⑶ 歯肉移植

採取した歯肉を、必要とする部位に移植します。しっかりと縫合することで移植した歯肉が固定され、術後の痛みなどの軽減や、生着の早さにつながります。

歯肉移植し、縫い付けます。

 

 

 

 

⑷ 歯肉移植後の抜糸 【1-2週間後】

移植後の、採取した側の糸抜きの前の状態です。脆弱ではありますが、歯肉が出来上がっています。あとは糸を抜き、経過を見ていきます。この段階ではすでに痛みはありません。

歯肉移植後の経過です。歯肉が出来上がっています。 歯肉移植の経過です。術前術後で経過がわっきりわかります

 

 

一方で、移植した側の状態です。どうしても見た目は異物感がありますが、体感としては一体化しているので問題ありません。時間とともに周囲の歯肉と馴染んできます。術前・術後を見ても、移植した歯肉と周囲の歯肉が馴染んできているのがわかると思います。

 

歯肉移植後の状態です。異物感はありますが、時間とともに周囲の歯肉と馴染んでいきます。 歯肉移植の経過、術前と術後です。周囲歯肉と馴染んでいっているのがわかります。

 

 

 

 

 

⑸ 歯肉移植後【3ヶ月後】

歯肉移植後の経過を見ていき、周囲の歯肉と馴染んでいることを確認します。矢印の部分、白い歯肉が付着歯肉と呼ばれる、顎骨に強固についている防御力の高い歯肉です。

 

歯肉移植後の経過です。周囲の歯肉と馴染んでいます。

術前と術後の状態です。歯肉の雰囲気が違うことが見てわかります。繰り返しですが、矢印の幅を見ていただくと歯肉が変わっているのがわかります。これが歯肉炎・歯周炎にとって防御力が高い状態です。

歯肉移植の術前術後です。はっきりと歯肉が違うのがわかります。

 

 

 

 

⑥歯肉移植のまとめ

歯肉移植についてのお話でした。歯肉移植は必ず行わないといけないわけでは無く、最終的には相談の上の治療選択肢となります。理論的なことをお話しすると歯肉移植をすることで歯周炎などのリスク、防御力が上がるので行うに越したことはないですが、費用や治療期間、外科治療、イメージの問題などで避けたいと思う方がいらっしゃるのも事実です。歯肉移植も保険適応外の自由診療となります。当院では¥50,000-(税別)ですが、歯科医院によって違うかもしれません。

 

インプラント治療に伴う歯肉移植の術前・術後 付着歯肉が増大していることがわかります。

 
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