骨粗しょう症のお薬と抜歯について
2020年12月19日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
年齢が上がると少しずつ体も衰え、それに伴いお薬を飲むこともあります。
その中で女性に多いのが骨粗しょう症のお薬です。
実は、飲む前にお口の中で治療が必要な部位をしっかり治療しておくことが大切です。
〜骨粗しょう症の薬とは〜
骨粗しょう症の薬の目的として、骨の吸収を抑えることにあります。
具体的な目的として、代表的なものが2つあります。
「年齢に伴う骨密度低下を予防し、骨折のリスクを回避」
「乳ガンなど、がんの骨転移の防止」
です。
目的は色々ありますが、どちらにしろ服用することによって体を守ることになります。
さらに、種類もいくつかあります。
「骨の吸収を抑えるもの」「骨再生を促すもの」「骨質を上げるもの」などなど、状態によって薬が使い分けられます。
その中でも、歯科に関係するものがBP製剤(ビスホスホネート)と呼ばれる種類のものになります。
〜BP製剤と歯科治療〜
私たちの体は常に細胞によって古い骨が吸収され、新しい骨が作られています。
BP製剤は、古い骨を吸収する細胞の働きを低下させ、骨が吸収されるのを抑制します。
このBP製剤は骨に作用するため、もちろん骨に集約します。骨は骨でも、緻密骨と言う固い骨に集まります。顎の骨はほとんど緻密骨なので、BP製剤は顎の骨に密に集まります。
BP製剤が高濃度で集まると、当然ですが新しい骨が出来にくくなり、かつ新しい血管ができることも抑制されてしまいます。その結果、傷が出来てもすぐ治ならくなります。
歯科治療において、抜歯などを行うと骨が露出します。通常であれば歯肉が治り、骨も回復しますが、BP製剤を服用していると回復が遅くなるため、細菌が骨へと感染していきます。
その結果、顎骨壊死といい、骨が汚染され、腐っていく現象が起こります。
骨に感染し、顎骨壊死となると、完治は難しいとされます。
その時は洗浄、内服など様々な方法で対応していきます。
〜BP製剤を飲んでいる時の歯科治療は〜
通常の治療は問題ありませんが、外科的な治療、具体的には抜歯などでは注意が必要です。
服用期間が3年未満ならば、治療前に抗生剤を服用して行います。
3年以上であれば、3か月の休薬が望ましいとされています。
ただし、休薬できるかどうかがありますので、医科歯科での連携が必要になります。
休薬できない場合は違う治療方法を考えることになります。
〜最後に〜
必ず顎骨壊死になるわけではありません。
服用の種類、期間にもよりますが、発症の率は数%と言われています。
どちらにしろ服用開始する場合は口の中が大丈夫かをよく確認することが大切です。
津市久居の歯医者 歯科医院「ナカニシ歯科医院」
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