虫歯の再発率や期間は?再発防止のためにできること
2021年7月15日
津市久居の歯医者「ナカニシ歯科医院」です。
虫歯治療が終わって一安心していませんか?しっかりと手入れをしていれば新しい虫歯はできにくいかもしれませんが、一度治療したとこの虫歯は再発する傾向が高いです。
どうして再発しやすいのかというと、それは歯の一番強いところが失われれいるからです。歯は「エナメル質、象牙質、歯の神経」の3構造に分かれており、一番上の表層エナメル質が一番硬いです。実は骨の2倍くらい硬いです。
虫歯治療をする時は、その一番硬い層エナメル質が壊れ、次の柔らかい層の象牙質に虫歯が進行している時が多いです。そのため、治療で詰め物をしたとしても、その詰め物がダメになるとすぐに虫歯が柔らかい層である象牙質に侵入していきます。いうならば、虫歯になりやすい象牙質が剥き出し状態というわけです。本来ならば一番硬い層のエナメル質がある程度守りますが、一度治療しているとそれが失われてるということが何よりも虫歯になりやすくなります。
詰め物や被せ物をすると、その時は治っているように見えます。ですが、あくまで人工物なので経年劣化していきます。個人差ありますが、温かいもの、冷たいもの、噛む力などにより劣化のスピードが違います。詰め物自体の大きさも影響します。つまり、治療をした後も定期的に詰め物と歯の隙間が大丈夫かどうか、レントゲンで虫歯になっていないかなどを確認する必要があります。
保険治療で行われる治療は、主に金属とプラスチックが使用されます。実は金属とプラスチックは歯の汚れ(歯垢、プラーク)がこびりつきやすい特徴があります。通常の歯よりもこびりつきやすいため、今まで以上に歯磨き粉を念入りに丁寧に行わないと、さらに虫歯になっていきます。
治療をしたら詰め物と被せ、どちらかが入ります。そこにはどうしても歯との境界が生まれます。材質にもよりますが、どうしてもこの境界が段差になることがあります。段差になるということはそこに汚れがたまりやすくなります。そのため、その溜まった汚れが虫歯を引き起こすことになります。治療の質や保険内・保険外治療で段差の有無大きく変わります。
日本の虫歯治療のガイドラインにも掲載されていますが、10年後の再発率は以下のようになっております。
プラスチックの詰め物:40%
金属の被せ物:44%
金属のブリッジ:68%
となっております。言い換えると、10年後に正常な状態で残っているものはそれぞれ60%、56%、32%となります。詰め物や被せ物の劣化は避けられないため、できることは定期的に歯科医院でクリーニングを受けること、毎日の歯磨きをより丁寧に、念入りに行うことが大切です。もちろん統計上なので、実際のところは20年大丈夫な人もいれば、5年未満で問題が生じる人もいらっしゃいます。あくまでその歯の状態や清掃状態で決まります。詰め物や被せ物の虫歯に関しては定期的に歯科医院で確認していく他はないと考えます。
虫歯になった原因を改善しないと、必ず再発します。具体的には、虫歯になった頃の食生活や歯磨き習慣を改善する必要があります。虫歯の原因の大部分は歯の清掃不良です。もちろん虫歯の原因は汚れ以外にもありますが、大部分はこの歯磨きで改善されるといっても過言ではありません。
以下がポイントになります。
・歯ブラシの交換時期 1−2ヶ月に交換
・歯間ブラシなど、補助的なブラシを使用する
歯ブラシは1〜2ヶ月で交換しないと毛先が拡がり、歯垢の除去率が半減します。せっかく歯磨きをするのであれば新しい歯ブラシを使用してしっかり汚れを取りましょう。また、虫歯は歯と歯の間から発生することが多いです。つまり、歯と歯の間に汚れが溜まっているから虫歯になることになります。歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを確実に落とすことで虫歯予防につながります。
日頃の歯ブラシが大切ですが、どうしても磨きにくいところが出てきます。完璧に磨けているつもりでも、磨けていない、あるいは磨きにくい箇所が少なからず出てきます。具体的には奥歯の奥のところであったり、歯並びが悪いところなどです。
歯科医院では専用の器具を使用して細かいところの汚れを取ることができます。さらに、PMTCというクリーニングで歯の表面をツルツルにし、汚れがつきにくくします。
日頃の歯ブラシを大切にする一方で、歯科医院でより歯の質を向上させることが予防につながります。
甘いものをよく食べる、砂糖が入っているものをよく飲むなど、虫歯の原因になる砂糖をよく摂取するのであれば、減量してきましょう。よく缶コーヒーで微糖とありますが、あれも砂糖が含まれていますので、虫歯になりやすい飲み物として捉えていただけばと思います。
以下の点を押さえましょう。
・虫歯治療後は経年的に再発しやすい
・詰め物被せ物は5〜10年で再発する可能性がある
・食生活や歯磨き習慣を見直そう
・歯科医院で専門的な予防治療を受けよう
できる限りの努力をすることが大切です。もちろん完璧に再発防止ということは難しいですが、少しでも再発する期間を延ばすことが歯の延命につながります。
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