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歯周病の治し方を画像を通じてご紹介 〜重度・歯周外科治療について〜

2023年2月5日

歯周病の治し方の1つに、重度歯周病などには外科治療が保険治療で行われることがあります。具体的に歯周病と言ってもどのような状態か目で見える訳ではありませんので、今回は写真画像を通じて歯周病の状態や、外科治療の実際の状態をご紹介します。

 

 

①歯周病とは?

歯周病は、歯を支える周りの組織「歯周組織」が炎症によって病気になっていることを言います。具体的な症状には歯茎が腫れる、出血する、歯を支える骨が溶けるため歯がぐらつくなどがあります。自覚症状がないことでも有名です。

 

自覚症状があれば気付きますが、自覚症状が出た場合は割と進んでいることが多いです。自覚症状が出る前に対応することが大切であり、それは歯科検診など定期的に健診を受けることで状態を把握していく必要があります。

 

 

②歯周病の治療方法、治し方

歯周病の治療方法は細かくすると多岐に及びますが、ざっくりお伝えすると歯と歯茎の境目、いわゆる歯周ポケット内部の汚れを取りのぞくことが大きな目的となります。その手法としても大きく2つあります。1つは麻酔をして耳かきのような細い器具で、歯周ポケットの中を掃除する方法です。もう1つは外科治療ですが、麻酔をして歯茎を開き、内側を完全にキレイにする方法です。一般的には、前者の歯周ポケットの中を細い器具で汚れを掻き出す方法を行い、その後、症状の改善が見込めない場合に後者の歯周外科治療にステップを進めるというのが治療の流れとなります。

 

 

 

③歯周病の治し方 〜歯周外科治療〜

(1)術前の状態の検査について

歯周外科治療とは、その名の通り、外科的な治療です。細かく分類すると再生療法など多岐に及びますが、ざっくりお話すると歯茎を開いて内部の汚れをとる外科的な方法です。これはあくまでも治療の選択肢であり、実際に外科治療を行うかどうかは患者様の意思決定となります。

 

実際の症例です。写真は被せ物を入れる前の、土台と呼ばれる状態です。周りの歯茎、歯肉は何も問題なさそうに見えますが、歯周ポケットを測定するポケットプローブという細長い器具を挿入すると、奥深くまで入ることが確認できます。

歯周病 歯周外科治療について 術前の状態  歯周病の状態を測定する器具ポケットプローブを歯周ポケットに挿入します

 

この歯周ポケットを測定する器具ポケットプローブはメモリとして色分けされており、その色目で深さを測定していきます。この写真の歯は約7㎜という深さでした。通常、歯ブラシで汚れが取れるのは3㎜以内と言われ、4㎜を越えると汚れが取れないと言われています。そのため4㎜以上は歯周病と診断されます。そして6㎜以上で重度歯周炎と診断されるので、この写真の歯は決して状態は良くないことがわかります。

 

歯周病 歯周外科治療について 歯周ポケットを測定します 歯周病 歯周外科治療について 歯周ポケットを測定します。4㎜以上で歯周病が発生しますが、これは7㎜あると判断し、重度歯周炎とわかります。

 

 

(2)歯周外科治療について

麻酔を行い、歯茎にメスを入れ、切開、剥離します。歯茎をめくると、内部の状態がよくわかります。歯を支える骨が失われており、骨の形状も溶けて失われた分が溝になっていたりします。その状態は歯によって様々ですが、この写真画像でははっきりと失われた骨や溝が目でみて取れるかと思います。

 

術前に歯周病の状態として歯周ポケットを測定した時の状態の写真と比較すると、器具がどのように挿入されており、そして内部がどのようになっているかのイメージができるかと思います。

 

歯周病 歯周外科治療で歯茎をめくり、内側の汚れを取ります  歯周病 歯周外科治療について 歯茎をめくると骨が失われており、はっきりと溝の部分が確認できます。

 

歯周病 歯周歯周外科について 歯茎をめくると溝の深さがはっきりわかります

 

あとはこの内部の汚れ、歯の表面にこびりついた歯石などの汚れを書き出します。状態に応じて歯周再生療法を行うことがあります。これは骨再生を促す骨補填剤などの医療薬品を用いる方法です。内部をキレイにしたあとこれらの再生療法の処置を行うことで、条件が良ければ骨の再生が見込めます。

 

(3)歯周外科治療の利点・欠点

歯周外科治療にも利点や欠点があります。

【利点】

・歯周ポケットが減少するため、汚れが溜まりにくくなり、歯周病の症状が軽減する。

【欠点】

・外科治療であること(イメージで望まれない方がいる)

・多少なり歯茎が退縮するので、知覚過敏や見た目の問題が出てくる

 

 

そのため、歯周病としての症状や、歯周ポケット内部の汚れの状態、ご本人が感じる症状の程度や頻度など、総合的に判断して歯周外科治療を選択するかどうかとなります。

歯周外科を行わずに定期的な清掃や洗浄で事足りることもありますので、主治医と要相談して自分自身が望む治療方法を選択すべきではあります。

 

 

 

(4)歯周外科治療・その後

歯周外科治療を行ったあとは歯茎を切開したところを糸で縫合するため、約1〜2週間後に抜糸します。その後は歯茎の治癒を待ちます。その間は特別なことはなく、今まで通り丁寧にキレイに歯を磨きましょう。もし痛みや腫れが出た場合は、基本的には数日〜1週間で収まることが多く、痛み止めや抗生物質で対応していきます。傷口としての歯茎は抜糸の時には塞がっていますが、見た目わからないようになるまでは数ヶ月かかります。もちろん、術式や元々もの状態によっては回復は早いので、一概には言えませんので、治療を受ける場合は主治医に期間など確認すると良いでしょう。もし再生療法を選択した場合は、骨の再生を確認に約半年を有することが多いです。こちらも状態によって治療期間や歯周外科の2回目を要することもありますので、主治医と治療の方針などを要相談しましょう。

 

 

③歯周外科治療〜まとめ

見た目以上に歯周病が進んでいることがあります。そして歯ブラシをどれだけ頑張っても汚れが取れない領域に達してしまいます。自覚症状がないまま進行するのが歯周病であり、実感した時には割と進行していることが多いです。早期発見には定期的な検査が必要になります。定期検診の頻度はその人の状態によって異なります。年齢が上がると、同年代でも健康状態が大きく変わりますので、周りが年1回の定期検診で事足りていても、自分は不十分かもしれません。ただどれだけ健康な人でも、会社で年1回の健康診断があるように、歯の状態も定期的に検査を行うことを推奨します。

 

歯周病の歯周外科治療で、歯周ポケットの状態がはっきりわかります。見た目以上に進行していることがあります。

 

 

津市久居の歯医者「ナカニシ歯科医院」

 
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