審美セラミックス治療の特徴、利点、欠点について
2021年2月2日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
虫歯などで詰め物、被せ物を行うときに見た目が気になるところ、いわゆる審美面に影響する部位の治療において「見た目が本物の歯のようにしたい」などの希望から審美セラミックス治療を行うことがあります。そのセラミックスですが、見た目は綺麗で自然な歯のように見えることもありますが、「虫歯になりにくい」という特徴もあります。一方で、最近では、保険内治療でも白い被せ物ができるようになりつつあります。同じ白さでも素材の質が異なります。具体的にどう違うのかのお話です。
セラミックスは、「審美面」「機能面」を始め、「虫歯になりにくい」など「質の高さ」も持ち合わせます。特徴で一番すぐ思い浮かぶのは、見た目が本物の歯のように見えるということです。
①本物の歯のように見える
②歯の形を変えたい
③変色しない
④金属アレルギーや歯茎の変色がない
例えば、この写真ではどれかがセラミックスの被せ物です。
パッと見ただけではどれが被せ物か分からないと思います。
一番左側が被せ物です。このように、セラミックスの被せ物は本物の歯のように自然な色合いを作ることができ、審美面に特化しています。
透明感のある白さなので、会話する時など「口を開けたとき」や「笑ったとき」に、銀歯のように目立ちません。周りの歯と馴染むような色合いの被せ物なので、美しく自然な口元を作り出してくれます。簡単にいうと笑ったときの口元の違和感がありません。
よく成人式、結婚式など、大切な日に写真を残したい、という方には非常に喜ばれます。
【治療費用や回数など】「セラミックスクラウン」という被せ物で、自由診療になります。治療費用:約12万円(税別。医院により価格が異なります)治療回数:約2−3回 利点欠点などはサイト後半に記載しております。
よく虫歯の治療の後に被せ物、詰め物を行うのが審美セラミックス治療と思われていますが、小さい歯を大きくすることや、歯と歯の間を埋めるというのも可能になります。
被せ物が入っているとは思いません。ごく自然の歯のように見えます。
歯が小さいとどうしても「すきっ歯」のように見えてきます。笑顔で写真が残るなどの場合、笑顔に影響出てきますので、気にされている方にとっては大きな改善になります。
【治療費用や回数など】自由診療になります。治療費用:約12万円(税別。医院により価格が異なります)治療回数:約2−3回 利点欠点などはサイト後半に記載しております。
セラミックスは変色しません。通常の保険治療でできる白いものはプラスチックです。そのため経年劣化し、変色、黄ばみが出ます。変色が目立つため、2−5年くらいで作り替えを前提とします。
当たり前ですが、セラミックスなので金属はありません。なのでそのため金属アレルギーの心配がないことも大きな特徴です。
金属の被せ物は、年数が経つと歯茎が黒くなってくることがあります。それは、年数とともに金属がイオン化して、歯茎に溶けだし、歯ぐきを黒くしてしまいます。
これはメタルタトゥーといい、溶け出すと、綺麗な本来の歯肉には戻りません。前歯の被せ物を選択する場合は気をつけたほうがいいかもしれません。
見た目に特化していると思われがちですが、実はお口のトラブルが生じにくいのもセラミックスになります。セラミックスの被せ物は表面がツルツルしているため、歯の汚れ(プラーク)がこびりつきにくい特徴があります。金属の詰め物、被せ物も見た目はツルツルに見えますが、実は顕微鏡レベルでは粗造になっています。さらに、唾液などの水分によって微弱な電気を帯びているため、汚れを引きつけ、こびりつくという特徴があります。
金属の詰め物はお口の中の温度変化や噛む力などの負担により接着剤が劣化していきます。
接着剤がなくなることで、金属と歯の間に虫歯ができます。
金属と歯は密着性がやや劣ります。そのため、唾液や水分、熱、噛む力によるひずみなどで接着剤が溶けていき、その隙間が虫歯になります。そして、虫歯になっても内部の色が金属色でわからないため、虫歯になっているかどうかの確認が難しいです。特に神経をとった歯に金属の被せ物をすると、虫歯が進行しても痛みとしての症状がないため、定期検診などで発見されることがよくあります。
虫歯になると金属を外して再治療になります。そしてまた歯を虫歯の分だけ失うため、最終的に歯を失う可能性があります。
〈保険治療で使われる通常の銀歯などは経年劣化で隙間ができます〉
【注意】銀歯の下が必ずしも虫歯になっているわけではありません。自覚症状、レントゲン検査などで虫歯を確認する必要があります。
セラミックスは歯と接着性が高いため、歯と被せ物の隙間からの虫歯が発生しにくいです。よく金属の被せ物などで見た目の審美性を比較されやすいですが、虫歯の観点でも非常に大きな差が出ます。
セラミックスを選択する理由として「歯を長持ちさせる」「質を上げることで繰り返す治療を防ぐ」ということがあり、これが重要です。
保険治療でも白い被せ物ができるようになりました。具体的に何が違うのかになります。
【特徴】
「ただ白い、偽物感が出る」「汚れが付きやすい、傷が付きやすい」「変色しやすい」
以上のことが挙げられます。もちろん金属よりは目立ちませんが、気になる方には気になるところです。
そのほか、どうしても強度などが劣るため、外れるなどのリスクもあります。
セラミックス治療は良いことばかりではありません。欠点として「衝撃に弱い」というのがあります。例えば、ガラスや大理石は強度はありますが、カナヅチなどで一撃すると割れたりヒビが入ります。セラミックスも同様で、通常は強度が強くてかけることはありませんが、歯ぎしりなどでかける、割れることがあります。そのため、かみ合わせや残っている歯の状態次第ではセラミックス治療を避けた方が良いことがあります。
お口全体の状態を考え、適切な選択を行えば、セラミックス治療はその欠点をカバーできることにもなります。
ただし、近年は「ジルコニア」「別名:白い金属」とも言われる強度の強いものが歯科治療で応用されたので、この「割れやすい」と言う欠点は改善されつつあります。
被せ物を作るときに歯を削りますが、金属の被せ物に比べて歯を削る量がやや多くなります。金属は薄くてもある程度は大丈夫ですが、セラミックスはやや厚みを増して作ります。そのため歯を少し多め削らなければならないことがデメリットです。
保険の前歯:0.5-1.5㎜(表側1.5㎜、裏側0.5㎜)
セラミックスの前歯:1.5㎜
保険の奥歯:0.5-1.0㎜
セラミックスの奥歯:1.0-1.5㎜
削る量に関してはo.5㎜と微差なので、これをどう捉えるかがあります。ですが、保険の被せに比べると多く削ることには間違いないです。
セラミックスは自費診療です。歯科医院により値段の相違はあります。
審美セラミックス治療は利点欠点があります。何よりも保険が効かないため、失敗はしたくないと思います。被せ物をどうするかを選択するにあたり、十分な説明、自分の歯にとっては何が一番良いのかを理解した上で決定することが大切です。
津市久居の歯医者 歯科医院「ナカニシ歯科医院」
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