歯周病で糖尿病が悪化する?
2021年1月15日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
歯周病が悪化すると糖尿病が悪化する、歯周病治療が適切に行われ改善していくと糖尿病が改善していきます。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と知られていない事実でもあります。
なぜ関係しているのでしょうか。
〜歯周病の影響が血流に乗り、全身に影響する〜
歯周病は歯茎や骨など、歯を支える組織の病気です。原因としては磨き残しによる汚れ(プラーク、歯垢)により、歯茎に炎症が生じます。その結果、歯の組織が溶けていく、歯茎が痩せていく、骨が溶けていく病気です。
炎症により、歯と歯茎の間から出血や膿が出る、たまっていきます。
それら炎症により、化学物質が放出され、それが血管に流れ込み、全身へと放出されていきます。この化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくさせます(インスリン抵抗性と言います)。結果として、糖尿病が悪化します。
たかが歯の汚れがと思われるかもしれませんが、実へ歯の汚れ、細菌数はかなり多いのです。
中等度進んでいる歯周病の場合、歯の周りの汚れ、細菌数は表面積で掌サイズと言われています。つまり常に口の中に掌サイズの汚れや細菌がいると捉えていただいても過言ではありません。これほど多い細菌、汚れが常にあるので、体に影響が出るのも理解しやすいと思います。
〜歯周病治療で血糖値が下がる〜
近年、歯周病と糖尿病は深く関連していると言われています。歯周病の治療をすることで、血糖値が改善するという研究成果も数多く報告されています。
歯周病治療とは、歯の汚れ、感染物質を取り除くことです。これにより、歯周病の炎症によって発生する、糖尿病悪化の化学物質を少しでも減らしていきます。
こうすることでインスリン抵抗性が改善し、血糖値も改善するということになります。
一方で残念なことに、歯周病治療を行えば必ず血糖値が改善するわけでもありません。
100%ではないですが、少しでも糖尿病が改善する見込みがあることは大きいことです。
〜最後に〜
糖尿病治療では生活習慣の見直し、薬などが主になるかもしれませんが、意外なところでお口の健康改善も大切になります。
人により状態は違いますが、かかりつけ医を見つけておくことが何かあったときに手助けになるかと思います。
津市久居の歯医者 歯科医院「ナカニシ歯科医院」
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