口臭の原因と対策について
2020年12月17日
津市久居の歯医者 歯科医院の「ナカニシ歯科医院」です。
口臭は、なかなか自分では気付けるものではありません。第三者が感じることで、それを教えてくれるのは身内が親身な友人知り合いになります。そのため、指摘される前に、口が臭う前に自分でエチケットとして対策する必要があります。
口臭には2種類あります。生理的な口臭、病的口臭です。前者の生理的なものは誰もが臭うところなので仕方ないところがありますが、問題なのは後者の病的なものです。これらを順番に説明していきたいと思います。
わかりやすいところでは、朝起きたときの口臭です。普段生活している時は飲み水や会話時に発生する唾液により口の中がある程度洗い流されるという自浄作用が働きます。そのため口臭が発生しません。ですが、寝ている時は口の中は唾液や水分が出ないため、この自浄作用がなくなります。その結果、朝まで口の中が洗い流されないため細菌が繁殖し、それが臭いとなります。そのため、朝起きた時は口が臭いことになります。
その中でも、寝ているときに口を開けている場合は問題です。口が空いていると余計に乾燥するため、口の中の水分がなくなりより一層自浄作用が失われます。その結果、細菌の繁殖が強くなるため、口臭がより強くなりやすいです。さらに唾液などが出ないため歯肉の炎症が進みやすく、歯周病や虫歯が進みやすくなります。
それ以外にも喉が乾燥することで風邪やインフルエンザにもかかりやすくなります。本来ならば喉は潤いがあるためウイルスが入ってもある程度免疫力が働きますが、その潤いによる防御が乾燥によりなくなるため、免疫力が下がります。口を開けていることは、体の免疫力そのものを低下させてしまいます。口臭防止のためにも、健康のためにも鼻呼吸が大切です。鼻は天然の空気清浄機、加湿器とも言われます。入ってくるウイルス、細菌に鼻がフィルターをかけてくれるからです。
朝起きて口が乾燥している、喉が乾燥している、口臭が気になる場合は、寝ているときに口が開いている可能性が高いです。最近では「口を閉じるテープ」が発売されていますので、健康や口臭防止のためにも検討してみてもいいかと思います。
胃潰瘍など消化器の疾患で臭うこともありますが、多くは口の中の疾患、歯周病や虫歯が口臭の原因です。もちろん、舌の表面の汚れなども臭う原因となります。つまり、口臭の原因は歯医者さんで改善できるものが多いと言うことです。
歯周病は、歯と歯茎の間の溝が大きくなります。そのため、目に見えないところで細菌により腐敗していくため、臭いの原因となります。歯周病治療を行うことで口臭が改善されることが多いです。
もちろん、虫歯でも臭います。穴が空いているためそこに汚れが詰まることで臭う原因となります。また、舌苔(ぜったい)といい、舌の表面の汚れも臭いの原因になります。
歯の周りは歯肉で覆われており、そこには溝があります。歯周ポケットとも言います。歯周病が進行すると、その歯周ポケットが深くなっていきます。すると、その深い溝の中に歯の汚れ(歯垢、プラーク)や歯石が溜まります。歯の表面の汚れとは違い、この中の汚れは歯磨きで取ることができません。これらが原因で歯周病菌が口臭の原因となるガス(揮発性硫黄化合物)を作り出します。これが口臭のもとになります。
歯垢や歯石が溜まることで口臭はもちろん、歯周病も進行します。さらに歯周病が進行して悪化すると歯槽膿漏となり、膿が出てきます。ここまでくると歯自体も問題ですが、口臭も大変強いものとなります。
虫歯が進行し、放置していると虫歯菌が歯の根っこまで到達します。根の先に虫歯菌が進んでいき、そこで膿んでしまうことがあります。これにより歯周病と同じような膿の臭いを発することになります。また、保険診療による古い金属の詰め物や被せ物は汚れがこびりつきやすく、虫歯が再発するリスクが高いため、それらが口臭の原因となることもあります。
これは生理的な口臭となります。皆さんも鏡で自分の舌を出して表面を見てください。白い汚れ、ありませんか?かなり汚れている場合は緑色も入ってきます。舌苔とは、舌の表面についた白い汚れです。様々な細菌や食べ物の残りかす、古い細胞などが舌に付着したものです。
皆さん誰にもありますが、これが多いと口臭の原因となります。舌の汚れは簡単なところでは唾液の量が少ないことがあります。もちろん、しっかり食べ物を飲み込んでいない事による、舌への残留もあります。歯ブラシで歯を磨くと同様に、舌の表面が汚れていれば、歯ブラシで擦り取ることが大切です。「舌ブラシ」というものも販売しております。
歯が少ない人はしっかり噛めないため唾液が出ません。必然的に歯周病、虫歯、舌の汚れは悪化していきます。より一層の清掃、歯医者でのプロのケアが大切です。
口臭の原因は歯周病や虫歯など、口の汚れです。そのため、食後の歯磨きは何より大切です。特に気になる方は夜の寝る前の歯磨きも行いましょう。歯だけでなく、舌の汚れを取ることも大切です。
何度も言いますが、夜は口の中を洗い流してくれる唾液が減りますので、歯周病菌、虫歯菌が増えます。また、口が開いている方ですと、寝ている間に口の中が乾し、環境が悪化し、臭い、歯周病や虫歯が悪化します。寝る前にはしっかりと口の中を綺麗にしておいて、少しでも細菌が繁殖しにくい環境にすることが大切です。そうは言っても、最低限は細菌が増えているため、口臭が気になる場合があります。ある程度は仕方がないですが、可及的に清掃するほかありません。
口臭対策として日常生活でできることは日頃の歯ブラシです。歯周病や虫歯に関しては自分では治せませんので、どちらにしろ歯科医院に相談しにいくことが大切です。
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